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フラメンコパルマとは?『フラメンコの手拍子』

パルマ(フラメンコ・パルマ)とはフラメンコにおける手拍子のことをいいます。

フラメンコが成立した17~18世紀当時はギターが存在しなかったので、歌と手拍子で表現をしていたと考えられます。

パルマは手拍子ですから誰でもできますが、歴史が長く、奥が深いテクニックです。

一方で、現代のフラメンコは,
・歌(カンテ)
・踊り(バイレ)
・ギター(トケ)

の3点で成り立っています。
そのためパルマがきちんとできていないとフラメンコ全体(アンサンブル)のリズム(コンパス)を狂わせてしまいます。

コンパスとはフラメンコのリズム・パターンのことで、フラメンコの曲はコンパスの繰り返しである事が多いです。

オーケストラですと指揮者にミスがあれば全体がバラバラになってしまいますし、バンドでもドラムが走れば他の楽器もテンポが早まってしまいますよね。複数のパートで構成されているフラメンコもそれらと同じなのです。

もちろん、踊りは歌やギターと相関しています。

フラメンコを踊る上での呼吸といっても過言ではないでしょう。

パルマも立派な楽器の1つです。

フラメンコパルマの目的はリズムを作るため

パルマを身につける目的はリズムを作るためです。

『コンパス』と呼ばれるフラメンコ特有のリズムを習得することで、踊りが安定します。

フラメンコ経験者の方は下記のように悩まれたことがあるかもしれません。

・「なんだかフラメンコっぽくない」

・「リズムに乗れず違和感がある」

・「踊っていて楽しくない」

このようなお悩みの原因はパルマにある可能性も考えられます。

地道に練習し、しっかりフラメンコのリズムが身につけば、きっと楽しく踊れるはずです。

フラメンコパルマの種類

大きく分けるとパルマには種類が2つあります。

  1. 『セコ』
  2. 『ソルダ』


順番に見ていきましょう。

パルマの1つであるセコは乾きがあって高い音の手拍子です。

1.セコは乾きのある高い手拍子

『アリーバ』と呼ばれることもあります。
セコは「乾いた」、そしてアリーバには「上の」という意味合いがあります。そのままですね。
抜ける高い音のため、盛り上げたいときに使います。

セコを鳴らす時の手はアゴの下あたりが定位置です。
片手を固定して、もう片方の手で打つように音を鳴らします。
片方の手だけを動かして打ち「パンパン」とキレのある高い音を鳴らせるように練習しましょう。

上手に鳴らすコツとしては、受ける方の手をやや丸め、受ける方の手のひらに、もう一方の手の半分から上の方を打ち当てることです。
これにより「ペチペチ」とした音ではなく、弾ける音色が作り出せます。

ベストなポジションが見つかるまで特訓してみてくださいね。

2.ソルダはこもりのある低い手拍子

一方でソルダはこもった低い音のため、歌やギターを邪魔したくないときに使います。

またの名を『バホ』といいます。

ソルダは「こもった」、バホは「下の」と言うニュアンスがあり、こちらも見事にピッタリの意味ですね。

楽器で言うとベースのようなイメージでしょうか。

ソルダのポジションもアゴの下あたりになります。両手を交差するように叩き、手と手の面積が多く密着するように鳴らすのがポイント。

セコと同じようにペチペチとした音にならないよう注意する必要があります。
すが手はセコよりも大きく丸めて打ちましょう。

こちらも納得のいく音が出るまで練習してみてください。

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フラメンコパルマの裏打ちのやり方をご紹介!

どの音楽でもそうですが、裏を取るのは簡単ではありません。

演奏にはオモテとウラがあり、無意識の状態であれば、人はオモテでリズムをとってしまいます。

しかしウラのリズムを感じ、しっかり裏打ちができなければ、踊りながら安定したオモテのリズムをキープすることは出来ず、どんどん走ってしまう原因にも繋がります。

フラメンコでは、この裏拍のことを「コントラティエンポ」と言います。

「コントラ」はスペイン語で「反対」「対比」。
「ティエンポ」は「時間」という意味です。



練習方法としてはメトロノームの活用がオススメ。お持ちでなければスマートフォンのアプリで十分です。

テンポを設定し、音が鳴っていないタイミングでパルマを打つ練習をしてみましょう。

初めはBPM100程度から初めて、慣れてきたら徐々にテンポアップしていきます。地道に続けていくことで、徐々にウラを取る感覚がわかってくるはず。

もう一つのおススメは、CD(iTunesなどのダウンロードも可)「ソロコンパス パルマ」の、パルマドブレ(表拍+裏拍)を何度も何度も聞き、コントラが入った状態のコンパスを耳で慣れることもといても良いと思います。

「耳が慣れる」ということは短時間での成果は出にくいのですが、確実な力がつくので日々の耳エクササイズとしてコツコツ行うにはおススメです!

好きな音楽を聴いてるときも気づいたら裏拍でリズムに乗っている日がくるかと思います。

フラメンコパルマについてのまとめ

パルマはフラメンコにおける手拍子のことでした。

大きく分けてセコとソルダの2種類があります。

セコは乾いた高い音、ソルダはこもった低い音で、違った目的で鳴らします。

上記に加えて裏のリズム=コントラティエンポを習得すれば、フラメンコの踊りの幅はグッと広がります。

ご自宅でも簡単にできるので、是非楽しみながら練習してみてください。