category:フラメンコとは


フラメンコって、なんでしょう。


皆さん一度はTV等で目にしたことがあるかもしれませんが、

「情熱的な踊りのこと?」
「スペインが発祥?」
「ショーってどんな感じ?」


このような疑問を抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。


そこで今回はフラメンコの歴史や楽曲、ショーなどについて分かりやすく解説していきたいと思います。




フラメンコのおすすめ映画をご紹介

フラメンコのおすすめ映画をご紹介

「フラメンコの雰囲気」を感じたり魅力や歴史を掴むには映画もよいですね。

楽しくフラメンコが学べるので、オススメを紹介しますね。

カルメン

オペラの『カルメン』のフラメンコバージョン。


ミュージカル仕立てになっていて、フラメンコの舞台がテーマになっています。


カルメンのシリーズは多くありますが、スペイン人制作のものは貴重なので是非ご覧になってみてください。

イベリア 魂のフラメンコ

上記のカルメンと同じスペインの映画監督が手掛けた作品です。

フラメンコだけでなく、バレエやジャズなど色々な芸術の要素が詰まった映画。


歌と踊りが好きな方には必見でしょう。

フラメンコ・フラメンコ

こちらも同じ監督の作品でした(笑)

同作品は、そのカルロス・サウラ監督が、人の誕生が現代までを詰め込んだ超大作になっています。

実際のプロダンサーやアーティストも出演しているので見応え十分!

個人的にはロシオ・モリーモリーナのガロティンの自由さ、ミゲル・ポベタとエバ・ジャルバブエナの撮影方法、がとても興味深かったです。

あの後舞台はそうしたのだろう?・・・・とか考えてしまいました。

ビヨンド・フラメンコ

こちらはフラメンコのルーツが民族舞踊であることがよくわかる映画かもしれません。

たくさんあるホタの中でもアンドラのホタ や アルバラテのホタ は以前私も学んだことがあるホタによく似ています。

飛んだり跳ねたり、それはそれは体力勝負でした(笑)でも舞踊の基本がやはりここにもたくさん盛り込まれていました。


フラメンコ セビジャーナスとは

フラメンコ セビジャーナスとは

まずはフラメンコとセビジャーナスの違いについて

フラメンコとは

フラメンコはスペイン南部の『アンダルシア地方』を中心に伝わる民族芸能す。

  1. 歌(カンテ)
  2. ギター(トケ)
  3. 踊り(バイレ)

の3つが揃ってはじめてフラメンコとなります。


「踊り」といっても間違いではないのですが、正式には民族芸能とするほうが適切でしょう。

諸説ありますが、フラメンコは15世紀から18世紀の間に発祥し、19世紀半ばに『フラメンコ』の名称が与えられたとされています。

日本では明治時代からです。

また、フラメンコは2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。


伝統のある芸能ですが、踊りとしてのフラメンコは初心者でも気軽に始められるのが魅力です。





セビジャーナスとは

セビジャーナスは、そもそも曲になります。


フラメンコと同じくアンダルシア地方に歴史がありますがアンダルシアの都市『セビージャ』のお祭り曲のこと。

日本でいうと、旧:阿波国(徳島)発祥の阿波踊りなどが近いですね

セビジャーナスはフラメンコ初心者の方の練習曲となっています。

が、実はこの曲、フラメンコの基本要素であったり、体の使い方もたくさん詰まったなかなか内容の濃い曲となっています。


故に、初心者さんの中には最初難しいと感じる方もいるかもしれませんが、この曲をマスターすると格段にステップアップできる曲だということなのです。

お祭りの曲なのでペアで向かい合い、目を見合わせ、明るく楽しい雰囲気の曲です。

                

セビージャの春祭り(フェリア)では、この曲があちこちのカセータ(仮設のバル)でずっと流れていて、人々は夜通しビールやワインを飲みながら、体力が尽きるまで踊りあかすのです^_^

                

アンダルシアを象徴するような民謡なので、今やフラメンコには欠かせないヌメロ(ナンバー)となっています。




フラメンコにはこんな曲がある|メジャーな曲を紹介

フラメンコにはこんな曲がある|メジャーな曲を紹介

フラメンコの曲「アレグリアス」

出ました!定番という感じでございます。

フラメンコの中でも最も舞台映えする曲、「アレグリアス」について少しだけ書きましょう。

「Alegrias」 意味は「喜び」。

数あるフラメンコの定番曲の中でもひときわ明るくリズミカルな曲調で、衣裳や髪飾りも可愛いものが多くライブには欠かせない曲種です。

正式には「Alegrias de Cadiz」アレグリアスデカディスと言い、アンダルシア最南部に位置する街、カディスで、このアレグリアスが育ったと言われています。

実はこの曲、アラゴン地方の民謡『Jota ホタ』からかなり音楽的影響を受けているとされています。

さきの映画紹介でも挙げた「ビヨンド・フラメンコ」の中のルーツともリンクする部分があって非常に面白いですね。

さあ、この「アレグリアス」

カディスという街の空、海、風を一度感じてから踊る、又は鑑賞すると、楽しみ方は間違いなく増えますね!

                

フラメンコにはこんな曲がある|メジャーな曲を紹介
moniさんのブログ『急がば回れ!』よりお借りしました

フラメンコ曲「ソレア」

フラメンコの母とも呼ばれていますね。こちらもアレグリアスと並んで舞台では欠かせない存在です。

何といってもギターの切ない旋律が印象的ではないでしょうか。解説本では「ミの旋律」などと書かれていますが、

「Soledad:孤独」(アンダルシア訛りで「d」を発音しない)から来ている、「ソレア」は、この「ミの旋律」によって何とも言えない「寂しさ、不安、懐かしさ」が混ざったような不思議な世界へ引き込まれます。

歌われる歌詞も沢山ありますが、ほんの一部紹介します。

訳:この辛さを誰に語ろうか?自分が土に埋葬される時に、自分にかぶせられる土にそれを話そう。

後で「フラメンコの歴史」について書いていますが、この歌詞からも当時のヒターノ達の厳しい生活が容易に想像されると思います。

又、下記のようにスペイン人らしく情熱的でロマンティックな感情表現をしている歌詞もあります。

訳:全く眠れなかった。うっかり寝てしまった時に君を失う夢を見てしまったから。

など、歌詞はさまざまですが、人間の普遍的な感情をこんこんと歌い上げているこのソレアはとてもドラマティックな曲種です。

【2020】フラメンコの魅力ってなに?|現役講師が語ります

【2020】フラメンコの魅力ってなに?|現役講師が語ります

フラメンコの魅力を一言で言い表す、これは大変難しいですが、私なりに言わせていただけるのであれば、数々のレジェンド達が積み重ねて来てくれた伝統をリスペクトしつつ、自由に表現することが出来る舞踊であることではないでしょうか。

人には必ず人生のストーリーがあります。フラメンコはそのストーリーが否が応でもにじみ出ます。



それをレッスンで取得した「体の使い方」「表現方法」を駆使して「いい味」となっていくのだと思います。


人生に正解と不正解がないように、これが正しくてこれは不正解、と考えず、コンパス(フラメンコのリズム)さえ、間違わなければ、あとは極端な話、何をやっても自由なのです。

まあ、練習生は「この自由が一番難しい」と言うかもしれませんが(笑)

この「自由」という言葉が実は一番奥が深いのだと思います。

日本人は決められたことを順序良く進めていくのは得意ですが、「自由に!」といわれると逆に考えすぎてしまうのかもしれませんね。

ですから、私も自由な表現を求めて日々精進しております。

そうです。自由には終わりがありません!

終わりがないところがフラメンコの魅力ではないでしょうか。

皆さんも自由を探求してください(^_-)-☆

フラメンコの歴史をわかりやすく楽しく解説

フラメンコの歴史をわかりやすく楽しく解説

フラメンコの歴史についても諸説ありますが、今回はそのうちの1つを紹介します。


フラメンコの成立には、イスラム系の民族が大きく関わったともされています。 意外ですよね。


ジプシーという民族

フラメンコ成立に関わったのが『ジプシー』と呼ばれる民族です。
スペインでは『ヒターノ』といわれています。


ジプシーは決まった場所に定住せず、ヨーロッパ各地を飛び回る移動型の民族。
ヨーロッパを旅しているのでスペインにも、もちろんやってきます。

ちなみに先ほど「フラメンコ成立にイスラム系の民族が…」と述べましたが、ジプシーの全員がイスラムとは限りません。

スペイン政府との対立

ジプシーとスペイン政府は対立することになってしまいました。



彼らは自分たちの伝統や習慣を大切にする傾向があり、滞在先の地域の風習に溶け込もうとしません。


また、ジプシーの中には泥棒や山賊などもおり、その数は少なくなかったといわれています。


そのためスペイン政府は、移住先を定めて彼らを送還しました。

フラメンコは悲しみから生まれた

ノマド的なライフスタイルを持つジプシーたちが定住を強いられました。

これは彼らにとって、伝統を否定されたような感覚だったでしょう。




政府の同化政策により迫害を受けたジプシーはその悲しみを歌にしました

そこから歌としてのフラメンコが生まれ、ギターと踊りが加わっていきます。




本場スペインのフラメンコをご紹介

本場スペインのフラメンコをご紹介

※現地のタブラオの営業が停止しているためコロナウイルス終息後に追記致します。

フラメンコショーってどんなもの?|観賞のポイントもご紹介

フラメンコショーってどんなもの?|観賞のポイントもご紹介

続いては実際にショーを観る際の注意点や楽しみ方について書いていきます。

タブラオを知ろう

スペインでフラメンコショーを観る場合、タブラオに行くことになるはず。
タブラオは、パフォーマンスを観ながら、お酒や料理が楽しめる場所のことです。
現地でフラメンコやワイン、スペイン料理が同時に堪能できるなんて贅沢ですよね。




フラメンコ鑑賞のマナー

ショーを観に行くのが初めての場合でも、以下の3つに注意していれば大丈夫です。

  • 手拍子をしない
  • 写真撮影は注意
  • お手洗いはショーの前に

順番に見ていきましょう。


手拍子をしない

テンポがいい曲だと、つい手拍子をしてしまいそうになりますが、厳禁です。
なぜならフラメンコにはリズムが命だから。

プロの踊り手、歌い手、演奏家が高いレベルで息を合わせているところに観客が音を入れてしまうと、リズムが狂ってしまうので気をつけましょう。

こちらは特に注意すべきポイントでしょう。


写真撮影は注意

写真撮影にもお気をつけて。

ただ全てのタブラオで撮影が禁止されているかというと、そうではありません。


訪れた場所のルールをはじめに確認しておくといいでしょう。お店によっては、「最初のアナウンスで、フィナーレだけは撮影OKです!」などいろいろあります。


お手洗いはショーの前に

原則、開演後は座席から離れないほうがよいです。演者へのマナーと思ってください。

緊急の場合は仕方ありませんが、お手洗いは事前に済ませておきましょう。

楽しむためのポイント

フラメンコショーを楽しむには、事前に動画でフラメンコを見てみたり、日本のタブラオに足を運んでみるのもいいでしょう。

それでもし関心が出てきたら今度はご自分で踊ってみましょう!フラメンコ教室の体験レッスンに行ってみるのもアリ。

現地のタブラオで拍手は禁止ですが、掛け声はどんどんして大丈夫。

フラメンコの掛け声は『ハレオ』と呼ばれていて、いろいろな種類があります。

実際にマスターすればショーをより楽しめるようになりますよ。

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